人生を成功に導く読書術! 〜豊かな人生研究委員会〜
豊かな人生研究委員会

Copyright (C) 2006 豊かな人生研究委員会 All Rights Reserved

メインページ 書評一覧 今日読んだ本 プロフィール コンセプト 本の読み方について メール
少将滋幹の母 (新潮文庫)
──────────────────────────────
 ◆今日読んだ本
──────────────────────────────
 題名:少将滋幹の母
 著者:谷崎潤一郎
 出版:新潮文庫
 定価:438円+税
 購入:ブックオフで105円



──────────────────────────────
 ◆今日の本 購入情報
──────────────────────────────
 アマゾン
 http://amazon.co.jp/o/ASIN/4101005095/oyajimushicom-22/ref=nosim/
 楽天ブックス
 http://pt.afl.rakuten.co.jp/c/02bf9514.ebca5b49/?url=http%3a%2f%2fitem.rakuten.co.jp%2fbook%2f135585%2f



──────────────────────────────
 ◆本の目次
──────────────────────────────
 ※目次はありません。



──────────────────────────────
 ▼本の成分解析
──────────────────────────────
 知恵  :■■■□□
 勇気  :□□□□□
 豊かな心:■■■□□
 おすすめ:■■■□□



 この本は、昭和28年10月に出版されています。
 
 著者は、明治期から昭和にかけて活躍した日本の小説家です。
 
 「日本の文豪」というと、著者の名があがります。
 
 著書も多数あります。



 どのような物語なのでしょうか?



 今回はこの本を次のような視点で読んでみました。
──────────────────────────────
 ■この本のどこを読むか
──────────────────────────────
 1)楽しんで読もう。



 谷崎文学を楽しもう。



 忙しい方のために、結論を先に紹介します。
──────────────────────────────
 ■この本をどう読んだか
──────────────────────────────
 1)楽しんで読もう。



──────────────────────────────
 ★今日から実行すること
──────────────────────────────
 【 特にありません 】



──────────────────────────────
 ●もっと知りたい方のために
──────────────────────────────
●楽しんで読もう。

▽著者の作品は、以前「春琴抄」を読んだことがあります。

 著者の作品では「痴人の愛」や「細雪」が有名です。
 
 「痴人の愛」は本棚に並んでますが、なにぶん厚いので、その時に
 一緒に買った「少将滋幹の母」を先に読むことにしました。
 
▽物語は、「平中(へいじゅう)」という男性の話から始まります。

 平中とは、源氏物語にも出てくる人物で、好色な男性で女性にもて
 ます。
 
 実在の人物らしく、古今集等に和歌も遺しています。
 
 時代背景は、平安時代の前記。
 
 平中は歌人でしたが、平姓をもらい臣下となります。
 
 その時平中は、位の高いある女性にアタックしていました。
 
 昔は、和歌を詠んでそれを紙にしたためて渡してもらい、それが
 気に入ったらおつきあいをする、という風習?があったらしいです。
 
 それは、人妻であろうがなかろうがあまり関係のないことで、
 日本は昔からそういった男女関係には寛大な国だったみたいです。
 
 明治期以降、外国の宗教文化が輸入されてから表面上は厳しい国に
 なったみたいです。
 
 平中が狙っていた女性は、左大臣藤原時平の邸に宮仕えをしていた
 女性です。
 
 藤原時平とは、醍醐天皇の時代にライバル菅原道真を陥れ太宰府に
 左遷させた人物です。
 
 菅原道真が亡くなってから祟られ若くして亡くなり、一族も絶えて
 しまいます。
 
 平中は、狙っていた女性をなかなか落とすことができずにいました。
 
▽平中と時平は、位は左大臣の時平の方が断然上です。

 しかし、「好色」という点に関して2人はウマが合うようで、
 平中と時平は2人きりでよく女性の話をしていました。
 
 女性に関しては平中の方が上手で、この時も時平は平中からある
 女性の話を聞き出そうとしていました。
 
 その女性とは、大納言藤原国経の妻で、かなりの美人です。
 
 藤原国経は80歳に近い老人で、妻の「北の方」は20代、年の
 離れた夫婦です。
 
 平中は北の方とも関係があり、時平は美しいと評判の北の方の話を
 平中から聞きだそうとしていました。
 
 最終的に平中は、北の方の話を時平にしてしまいます。
 
 北の方の夫、大納言藤原国経は左大臣藤原時平の伯父にあたります。
 
 伯父ではありますが、官位は左大臣の方が上で、普通だと口も
 聞いてもらえない程の差があるとのこと。
 
 しかし、平中から「北の方」の話を聞いてから、時平は国経に
 対して言葉を掛けたり、豪華な贈り物を渡したりします。
 
▽北の方と国経の間には、4、5歳になる息子がいました。
 
 この息子が後に少将滋幹となります。
 
 時平は、夫がいて子どもがいる女性に狙いを定め、夫から攻めて
 いきました。
 
▽あるとき、時平は国経の邸へいって宴会をやろうと伝えます。
 
 大納言国経にとっては、親類と言っても位の違う左大臣が家に来る
 というのは名誉なことでした。
 
 時平の狙いはもちろん北の方。
 
 皆が泥酔し、帰ろうとする時になって、時平は国経に向かって、

 「いままでいろいろな贈り物をしてきたから、お前が一番大切に
 している物をよこせ」と強引にせまります。
 
 時平は「北の方」をよこせ、と強引にせまり、しかも国経は常々
 北の方は老いぼれの自分にはふさわしくない、もっと若い男性の
 ほうが似合っているのではないか、と自問していました。
 
 そこに酒の勢いも手伝って、強引な申し出に応えてしまい、北の方を
 時平に渡してしまいます。
 
 その後、北の方は時平の妻となってしまい、二度と国経と会う
 ことはありませんでした。
 
 国経は、北の方を渡してしまった割には、寂しさのあまり悲嘆に
 くれ、数年して亡くなってしまいます。
 
▽その後、北の方は時平との間に何人かの子どもを授かります。

 しかし、菅原道真の祟りで時平は死に、その一族もことごとく
 早死にしてしまいます。
 
 北の方は出家し、どこかで尼僧として生きていました。
 
▽北の方と国経の子滋幹は、母親が邸から奪い去られてから、わず
 かな回数しか会うことはできませんでした。
 
 母親のことで覚えているのは、美しかったということだけ。
 
 わずかな記憶しかありません。
 
 成人してからも母親への気持ちはずっと持っていました。
 
 ある日、滋幹が何かに引っ張られるように、廃屋の近くにある
 滝の上に出てみると、そこには...





 この物語は、日本に残っている古典を元に、実際にあった話と、
 著者の創作とを上手く結びつけ、一つの物語にしています。
 
 昔の公家の様子や、男女関係のことも良く分かります。
 
 母親を思う気持ちは、1000年以上昔も今も変わらないようです。



和解 (新潮文庫)
──────────────────────────────
 ◆今日読んだ本
──────────────────────────────
 題名:和解
 著者:志賀直哉
 出版:新潮文庫
 定価:324円+税
 購入:ブックオフで200円



──────────────────────────────
 ◆今日の本 購入情報
──────────────────────────────
 アマゾン
 http://amazon.co.jp/o/ASIN//oyajimushicom-22/ref=nosim/
 楽天ブックス
 http://pt.afl.rakuten.co.jp/c/02bf9514.ebca5b49/?url=http%3a%2f%2fitem.rakuten.co.jp%2fbook%2f138964%2f



──────────────────────────────
 ◆本の目次
──────────────────────────────
 ※目次はありません。



──────────────────────────────
 ▼本の成分解析
──────────────────────────────
 知恵  :■■■■□
 勇気  :■□□□□
 豊かな心:■■■□□
 おすすめ:■■■■□



 この本は、昭和24年12月に出版されています。
 
 平成19年3月時点で95刷となっています。
 
 長く読まれている本です。
 
 著者は、中学か高校の時に習ったことがある同人雑誌「白樺」を
 創刊した人で、紹介文によると、自我の絶対的な肯定を根本とする
 姿勢を貫き、父親との対立など実生活の問題を見据えた私小説や
 心境小説を多数発表しているとのことです。
 
 著書も多数あります。



 どのような物語なのでしょうか。



 今回はこの本を次のような視点で読んでみました。
──────────────────────────────
 ■この本のどこを読むか
──────────────────────────────
 1)楽しんで読もう。



 自分のことを書いているみたいです。



 忙しい方のために、結論を先に紹介します。
──────────────────────────────
 ■この本をどう読んだか
──────────────────────────────
 1)楽しんで読もう。
 
 ※「もっと知りたい方のために」を参照してください。



──────────────────────────────
 ★今日から実行すること
──────────────────────────────
 【 全てを受け容れよう 】



──────────────────────────────
 ●もっと知りたい方のために
──────────────────────────────
●楽しんで読もう。

▽本当は、著者の「暗夜行路」という作品を読もうと思いブックオフ
 に探しに行きました。
 
 探し当ててみると、かなりぶ厚くて600頁くらいあったので
 躊躇し、隣に並んでいた「和解」という薄い本を選んでしまいま
 した。
 
 著者の作品はまだ一度も読んだことがなかったので、100頁
 足らずのこの作品を試しに読んでみることにします。
 
 著者の作品で名前を知っているのは「暗夜行路」だけです。
 
 ウィキペディアで調べてみると、代表作は「暗夜行路」の他に
 今回紹介する「和解」、「小僧の神様」、「城の崎にて」といった
 ところです。
 
 著者は基本的に短編小説家で、唯一の長編が「暗夜行路」のよう
 です。
 
▽著者の作品は、自分の人間関係を題材にした作品が多く、特に
 父親との人間関係を書いた作品が今回紹介する「和解」です。
 
 自分を主人公に置き換えて書いているようです。
 
 主人公は、順吉という名の男性で、年の頃は分かりません。
 
 詳しい理由は書かれていませんが、3年半ほど前、父との会話の
 中で不快な思いをし、それがきっかけで東京麻布の実家を出て
 しまいます。
 
 その後、妻との結婚のことでも一悶着あって、父親との関係は
 悪化したまま膠着状態が続いていました。
 
 主人公の順吉は、著者を置き換えた人物らしく、職業は物書きです。
 
 家を出た順吉は、妻と京都等いろいろな土地へ住んで、最終的に
 千葉県の我孫子という土地へ家を構えます。
 
 順吉は父親との関係は悪化していますが、祖母のことが気に掛かって
 いて、いく度となく麻布の家を訪れます。
 
 そのたびに家に電話を掛け、父親が家にいるかいないか母親に聞き
 できるだけいない時を見計らって実家を訪ねていました。
 
 順吉と父親との不和は、実家に住む他の家族や親戚を皆巻き込んで
 緊張状態を作りだしていました。
 
 つまり、皆が2人の関係で迷惑していたのです。
 
▽人間関係は、一度こじれるとなかなか修復するのが難しいです。

 特に一番問題が起きやすいのが夫婦で、その次が親子関係です。
 
 一番身近な存在から問題が起きやすくなっています。
 
 人間は、この世に人間関係の修行をしに生まれてきているので、
 人間関係で悩むのはごく普通のことです。
 
 人間関係で悩みがなくなると、人生の問題はぐっと減ります。
 
 自分のことを考えてみると、今関係している人間関係はそんなに
 多くないこともあってか、今のところ人間関係による悩みはほと
 んどありません。
 
 幸せな方だと思います。
 
 悩む人は悩みます。
 
 家庭で家族との関係に悩み、職場で上司や同僚、客との関係で
 悩み、友人・知人関係でも悩みがあります。
 
 自給自足で山の中で全く一人で生きていけるなら別ですが、人間は
 人間関係を逃れて生きることはできません。
 
 必ず人間の中で生きていくしかないのです。
 
 そして、人間関係で悩む人は、たとえ何処の土地に逃げたとしても
 必ず何らかの人間関係で悩むことになっているみたいです。
 
 自分が許容できる人間の幅を広げるしか、人間関係の悩みを解決
 する方法はなさそうです。
 
▽詳しい理由は書いてありませんが、父親との不和に何年も悩んで
 きた順吉は、物書き業ということもあってか、個人的にはかなり
 わがままな印象を受けました。
 
 家長制度の明治期の男性が皆そうだったのかもしれません。
 
 最終的に、順吉の方から「今のままではいけない」と感じ、父親と
 話す機会を作り、和解へ持ち込みます。
 
 最後は、家族から親類まで皆ハッピーになって終わります。





 個人的に、小説には物語性を求めていて、日常のことを書いた
 作品は面白いとは感じていませんでした。
 
 川端康成の作品を読んでいてそう感じたのですが、どうやら少し
 違っているみたいです。
 
 夏目漱石の作品も淡々とした日常を描いているものが多く、でも
 面白い作品が多いです。
 
 今回紹介した「和解」も、著者の実体験を文章にしていて、単なる
 日常を描いているだけ、でも面白いです。
 
 気が付いたのは、川端康成の作品は、これまで読んだ「雪国」に
 しろ、「眠れる美女」にしろ、どちらかというと「非日常」です。
 
 一般人が体験する日常ではない場面を文章にしています。
 
 でも、夏目漱石も今回紹介したこの作品も、いかにもありそうな
 「日常」を文章にしていて、だから感情移入し易いのかもしれ
 ません。
 
 家族を含めた和解のシーンには、体験したことはないけれど、
 なぜかジーンと心に響くものがあります。
 
 100頁くらいの短編なのですぐ読めます。
 
 機会があったら読んでみることをお勧めします。



眠れる美女 (新潮文庫)
──────────────────────────────
 ◆今日読んだ本
──────────────────────────────
 題名:眠れる美女
 著者:川端康成
 出版:新潮文庫
 定価:400円+税
 購入:ブックオフで250円



──────────────────────────────
 ◆今日の本 購入情報
──────────────────────────────
 アマゾン
 http://amazon.co.jp/o/ASIN/4101001200/oyajimushicom-22/ref=nosim/
 楽天ブックス
 http://pt.afl.rakuten.co.jp/c/02bf9514.ebca5b49/?url=http%3a%2f%2fitem.rakuten.co.jp%2fbook%2f137427%2f



──────────────────────────────
 ◆本の目次
──────────────────────────────
 眠れる美女
 片腕
 散りぬるを


──────────────────────────────
 ▼本の成分解析
──────────────────────────────
 知恵  :■■■□□
 勇気  :□□□□□
 豊かな心:□□□□□
 おすすめ:■■■□□



 この本は、昭和42年11月に出版されています。
 
 著者は、日本人初のノーベル文学賞を受賞した方です。
 
 著書も多数あります。



 どのような話なのでしょうか。



 今回はこの本を次のような視点で読んでみました。
──────────────────────────────
 ■この本のどこを読むか
──────────────────────────────
 1)楽しんで読もう。



 今回はどうでしょうか。



 忙しい方のために、結論を先に紹介します。
──────────────────────────────
 ■この本をどう読んだか
──────────────────────────────
 1)楽しんで読もう。
 
 ※「もっと知りたい方のために」を参照してください。



──────────────────────────────
 ★今日から実行すること
──────────────────────────────
 【 特にありません 】



──────────────────────────────
 ●もっと知りたい方のために
──────────────────────────────
●楽しんで読もう。

▽著者の作品は、何日か前に「雪国」を紹介しました。
 
 Vol.762,2008/09/24配信分
 http://archive.mag2.com/0000194014/20080924060000000.html
 
 趣味の問題でもありますが、個人的にはどちらかと言うと小説に
 物語性を求めてしまうため、なにげない日常について語られて
 いたりすると、飽きてきてしまいます。
 
 「雪国」は、物語性がないわけではありません。
 
 でも、どちらかというと日常の話を、著者の美しい文章で語る
 のを楽しむといった感じが強いです。
 
 たまたま「雪国」がそうだったのかもしれません。
 
 試しに、先日紹介した雑誌「一個人」で、浅田次郎さんが「もう
 一度読み返したい本」として紹介されていた「眠れる美女」を
 読んでみることにしました。
 
 浅田次郎さんが「川端さんの作品から1冊選ぶとしたら」今回紹介
 する「眠れる美女」なのだそうです。
 
 最も川端世界を堪能できる作品ということです。
 
 今回の作品の出だしは、
 
 「たちの悪いいたずらはなさらないで下さいませよ、眠っている
 女の子の口に指を入れようとなさったりすることもいけませんよ、
 と宿の女は江口老人に念を押した」
 
 です。
 
 かなり妖しい雰囲気です。
 
▽登場人物は多くはありません。

 主人公は江口という名の60代半ばの老人で、ある日江口老人は、
 知り合いの木賀という老人からある場所を紹介されます。
 
 そこは、身元が確かな人の紹介でしか行くことができない会員制
 クラブのような場所で、その家を訪ねていくと、40半ばの女性が
 出てきて、ある部屋に通されます。
 
 その部屋は八畳と隣の寝室しかなく、宿とは呼べない建物です。
 
 寝室には、若い全裸の美しい女性が眠っています。
 
 女性は薬で前後不覚に眠らされていて、何をしても起きないように
 なっています。
 
 江口老人はこの部屋で一晩女性と過ごすことになるのですが、
 ここを紹介される老人たちは、皆男性としての機能は既に失って
 いる人たちばかりということになっているそうです。
 
 眠らされている女性たちも、そのことは知っていて、安心して(?)
 アルバイトをしているそうです。
 
 若い女性は、老人達が来る前から薬で眠らされ、朝老人達が帰った
 後で眠りから覚めます。
 
 したがって、どのような人たちと一晩過ごしたのか分かりませんが、
 身の安全(?)は保障されていているとのこと。
 
 ところが主人公の江口老人は、まだ男性としての機能は有していま
 した。
 
 といっても60代半ば、若い男生と違って十分に自制は可能です。
 
▽簡単に言ってしまうと「スケベじじい」が、現実世界では触れる
 ことのできないモノに触れることができる場所で、一晩過ごす
 だけの話です。
 
 その間、昔関係のあった女性を思い出して感慨にふける、といった
 内容です。
 
 簡単に言ってしまうとそうなのですが、そこは川端康成。
 
 見事な文章で表現しています。
 
▽江口老人は「眠れる美女」の横で一晩を過ごした後、その美女が
 忘れられず、半月後にもう一度電話をして訪ねることにしました。
 
 その日に訪ねてみると、急に電話したせいか別の女性が眠らされて
 いるとのこと。
 
 江口老人は前回の女性に未練がありましたが、今回の女性を見て
 さらに気に入ります。
 
▽何度めかに来た後、この場所を紹介してくれた老人と共通の知り
 合いの葬儀に参列します。
 
 そこで木賀老人から、知人の死因を聞き出します。
 
 その知人はどうやら、眠れる美女の家で死んだらしく、発見された
 のは別の温泉宿でしたが、どうやら死んだ後にその宿に運び込まれた
 らしい、とのことでした。
 
 「眠れる美女の館」にくることができるのは、成功した老人たち
 ばかりで、秘密がばれるとまずいことになってしまいます。
 
 でも、客が老人ということは「死」に近いということでもあり、
 いつかはばれそうです。
 
▽江口老人の何度目かの訪問の際は、女性が2人眠らされていました。
 
 その夜、江口老人が目覚めてみると...





 この作品は、1961年(昭和36年)に発表されています。
 
 個人的に、小説に物語性を求めていたのですが、著者の作品に
 関しては物語性を求めてはいけないようです。
 
 違う愉しみ方をした方が味わい深く楽しめるようなような気が
 します。



冷血 (新潮文庫)
──────────────────────────────
 ◆今日読んだ本
──────────────────────────────
 題名:冷血
 著者:トルーマン・カポーティ
 出版:新潮文庫
 定価:895円+税
 購入:ブックオフで500円



──────────────────────────────
 ◆今日の本 購入情報
──────────────────────────────
 アマゾン
 http://amazon.co.jp/o/ASIN/4102095063/oyajimushicom-22/ref=nosim/
 楽天ブックス
 http://pt.afl.rakuten.co.jp/c/02bf9514.ebca5b49/?url=http%3a%2f%2fitem.rakuten.co.jp%2fbook%2f4073655%2f



──────────────────────────────
 ◆本の目次
──────────────────────────────
 ※目次はありません。



──────────────────────────────
 ▼本の成分解析
──────────────────────────────
 知恵  :■■■■□
 勇気  :□□□□□
 豊かな心:□□□□□
 おすすめ:■■■■□



 この本は、平成18年7月に出版されています。
 
 著者は、アメリカの作家で、賞をいくつか受賞しています。
 
 「ティファニーで朝食を」という作品は聞いたことがあります。
 
 著書も多数あります。



 どのような事件なのでしょうか?



 今回はこの本を次のような視点で読んでみました。
──────────────────────────────
 ■この本のどこを読むか
──────────────────────────────
 1)楽しんで読もう。



 殺す必要はなかったのに...



 忙しい方のために、結論を先に紹介します。
──────────────────────────────
 ■この本をどう読んだか
──────────────────────────────
 1)楽しんで読もう。
 
 ※「もっと知りたい方のために」を参照してください。



──────────────────────────────
 ★今日から実行すること
──────────────────────────────
 【 特にありません 】



──────────────────────────────
 ●もっと知りたい方のために
──────────────────────────────
●楽しんで読もう。

▽1959年11月16日、アメリカカンザス州のホルカムという
 農村で発生した一家4人惨殺事件の犯人は、リチャード・ユージーン・
 ヒコック(通称ディック)とペリー・エドワード・スミスの2人
 でした。
 
 この2人は服役していた刑務所で知り合います。
 
 刑務所はまだ入った事がないのでどのような場所か知りません。
 
 また、アメリカの刑務所と日本の刑務所の違いというのも知り
 ません。
 
 アメリカの刑務所では、刑務所の中で知り合った囚人達が知り合い
 になり、出所してからさらに罪を犯すことがあるみたいです。
 
 出所した人が社会復帰しづらいのは日本と同じようです。
 
 刑務所の中で知り合ったディックとペリーは、先にペリーが出所し、
 その後ディックが出所します。
 
 後に出所したディックがペリーを探し出し、今回の犯行の計画を
 打ち明けています。
 
▽ディックとペリーの2人は、カンザス州ホルカムのクラッター家
 とは全く関係がありません
 
 クラッター氏にも会ったことはないし、農場を訪れたこともないし
 家族の誰とも会ったことはありません。
 
 それでも、2人は犯行を「計画」して実行に移しました。
 
▽一家4人が惨殺されているのが発見され、警察が動き出しますが、
 捜査は難航します。
 
 証拠が少なく、犯人につながる物証は2人の靴跡だけでした。
 
 凶器の散弾銃の空薬莢は全て回収してあり、犯人につながる手が
 かりがまるで掴めない状態です。
 
 犯行の手口からすると、かなりの恨みを持った犯人の犯行に見え
 ます。
 
 ホルカムの近辺では、クラッター氏は現金を持ち歩かず、小切手
 で支払いをするので有名で、家にも現金を置いていないことを
 知られています。
 
 家の中は何やら荒らされた感じはありますが、一家4人の殺害
 方法があまりにも悲惨なので、怨恨による犯行だと思われていま
 した。
 
 一家4人は、手と足をつなげて縛られ、身動きができない状態で
 至近距離から散弾銃で頭を吹き飛ばされています。
 
 壁も床も辺り一面に血痕が飛び散っていました。
 
 クラッター氏に至っては、ナイフで喉を裂かれて苦しんでいる
 状態で頭を打ち抜かれています。
 
▽怨恨説が浮かびますが、クラッター氏はこの地方の名士で、誰からも
 信頼は厚く、決して恨まれるような人間ではありません。
 
 殺された他の家族も、他人から恨みを買うような人は誰もいません。
 
 捜査は行き詰まります。
 
 広い農場がある土地で、犯行は夜行われたうえ、犯行現場から
 一番近くの家に住んでいたのが農場の使用人一家ですが、銃声は
 まったく聞こえていませんでした。
 
 物証は靴底だけ、怨恨から洗っても犯人は浮上せず、お手上げの
 状態でした。
 
▽犯行から何週間か経過したある日、思わぬ所から犯人がディックと
 ペリーであることが判明します。
 
 カンザス州の刑務所に服役していたフロイド・ウェルズという
 囚人が、独房でラジオを聞いていた時に、クラッター一家殺害事件
 のニュースを聞きます。
 
 フロイドは驚きます。
 
 彼はディックがまだ服役していた頃、刑務所で知り合っていました。
 
 刑務所内で知り合いになると、出所してからの話で盛り上がる
 そうです。
 
 俺はこんなビッグな事(犯罪)をやってやるんだ、といった話を
 好んでするそうです。
 
 しかし、それは普通は言葉だけの話で、実際に出所してから犯行に
 及ぶ人はほとんどいないそうです。
 
 フロイドはディックから、クラッター家を襲って金を奪う与太話を
 何度となく聞かされていました。
 
 なぜ、ディックがクラッター家のことを知ったかと言うと、以前
 フロイドがクラッター家の農場で1年くらい働いていたことが
 あって、クラッター氏が金持ちであることや、農場や敷地の様子、
 家族構成、金庫の場所等を覚えているだけディックに語って聞か
 せてしまったのです。
 
 ディックはそのことを知り、犯行を計画します。
 
 フロイドは普通の囚人の例に漏れず、まさか犯行を実行に移すとは
 思っていませんでした。
 
 ところが、ラジオから自分が以前働いていたクラッター一家の惨殺
 事件の様子が報道されているのを聞いてビックリします。
 
 その当時、犯人には懸賞金が掛けられていて、フロイドは懸賞金と
 刑期短縮を条件にその情報を警察に提供します。
 
 ディックはペリーと組んでクラッター家を襲う計画を詳細にフロイド
 に語っていました。
 
 マヌケと言えばマヌケです。
 
 ただ、囚人達には掟みたいなものがあって、そういった話は口外
 してはならないことになっているみたいで、ディックも安心して
 計画をフロイドに話していました。
 
▽メキシコに逃げていた2人は、途中で小切手詐欺を働き、いくら
 かの現金を持っていましたが、あっと言う間になくなってしまい、
 またアメリカに舞い戻っていました。
 
 手配された2人はとうとう逮捕されます。
 
 その後、裁判が開かれ死刑が言い渡されます。
 
 アメリカは州毎に死刑があったりなかったりします。
 
 2人が裁かれたカンザス州には絞首刑がありましたが、刑が確定
 してからも、刑の執行は引き延ばされていました。
 
 しかし、逮捕から6年後2人の死刑が執行されることになります。
 
 カンザス州の刑の執行は、呼ばれた人たちの前で公開で行われます。
 
 1965年6月22日、ディックとペリーの2人の刑が執行され
 ました。





 この本は、実際に起きたクラッター一家惨殺事件を、著者が5年の
 歳月を掛けて取材し、それをノンフィクション・ノベルという
 形式で発表した作品です。
 
 小説も面白いですが、「事実は小説よりも奇なり」で現実は小説
 よりもすごいことが起きます。
 
 面白い作品ではありますが、600頁を超えているので読むには
 それなりの根性が必要です。



冷血 (新潮文庫)
──────────────────────────────
 ◆今日読んだ本
──────────────────────────────
 題名:冷血
 著者:トルーマン・カポーティ
 出版:新潮文庫
 定価:895円+税
 購入:ブックオフで500円



──────────────────────────────
 ◆今日の本 購入情報
──────────────────────────────
 アマゾン
 http://amazon.co.jp/o/ASIN/4102095063/oyajimushicom-22/ref=nosim/
 楽天ブックス
 http://pt.afl.rakuten.co.jp/c/02bf9514.ebca5b49/?url=http%3a%2f%2fitem.rakuten.co.jp%2fbook%2f4073655%2f



──────────────────────────────
 ◆本の目次
──────────────────────────────
 ※目次はありません。



──────────────────────────────
 ▼本の成分解析
──────────────────────────────
 知恵  :■■■■□
 勇気  :□□□□□
 豊かな心:□□□□□
 おすすめ:■■■■□



 この本は、平成18年7月に出版されています。
 
 著者は、アメリカの作家で、賞をいくつか受賞しています。
 
 「ティファニーで朝食を」という作品は聞いたことがあります。
 
 著書も多数あります。



 どのような事件なのでしょうか?



 今回はこの本を次のような視点で読んでみました。
──────────────────────────────
 ■この本のどこを読むか
──────────────────────────────
 1)楽しんで読もう。



 楽しむにはむご過ぎますが...



 忙しい方のために、結論を先に紹介します。
──────────────────────────────
 ■この本をどう読んだか
──────────────────────────────
 1)楽しんで読もう。
 
 ※「もっと知りたい方のために」を参照してください。



──────────────────────────────
 ★今日から実行すること
──────────────────────────────
 【 特にありません 】



──────────────────────────────
 ●もっと知りたい方のために
──────────────────────────────
●楽しんで読もう。

▽今回紹介する本は、先日メルマガで紹介した「一個人」という
 雑誌で、猪瀬直樹さんと佐木隆三さんが「もう一度読み返したい本」
 として紹介していた本です。
 
 これは読むしかないと思い、買ってきました。
 
 この作品は、1965年にアメリカで発表され、1967年に
 訳されています。
 
 著者は、この作品を書き上げるのに5年の歳月を費やしています。
 
 ある殺人事件に対して、綿密な取材と資料集めを行い、捜査の
 方法、犯人の心理、死刑制度のあり方、犯罪が起きた地域の様子、
 取材のあり方等々、まるでその現場にいたかのように書いています。
 
 「ノンフィクション・ノヴェル」という領域を切り開いた作品です。
 
▽著者は、派手な名声とは裏腹に、恵まれない私生活を送っていて、
 晩年は薬物中毒に苦しみ、奇行が目立ち、やがて没落していきます。
 
 著者は、その恵まれない生い立ちを、この作品に登場する犯人の
 一人にダブらせていたみたいです。
 
▽1959年11月16日、アメリカカンザス州のホルカムという
 農村で、一家4人が惨殺される事件が発生します。
 
 一家4人は、別々の部屋で手足をロープで縛られた状態で、至近
 距離から散弾銃で頭を打ち抜かれていました。
 
 特に、一家の主であるハーバード・ウィリアム・クラッターは
 頭を打ち抜かれる前に、ナイフで喉を掻き切られていました。
 
 惨殺されたクラッター氏は、この農村の名士で、他人から憎まれる
 ような人ではありません。
 
 皆の世話を焼き、誰からも尊敬される存在でした。

 クラッター氏は妻との間に4人の子どもがいて、一番上の娘は
 既に嫁いでいて、2番目の娘も家を出ていて、もう少しで結婚
 する予定です。
 
 殺された他の3人は、クラッター氏の妻ボニー。
 
 そして、17歳になる三女のナンシー、15歳になる長男の
 ケニヨンです。
 
 妻のボニーは、軽い神経症でうつ状態にありましたが、彼女も
 ナンシーもケニヨンも他人に恨みを買うような人ではなく、「惨殺」
 という言葉から一番遠い家族だったみたいです。
 
▽クラッター氏はかなりの資産家で、お金も沢山持っていたみたい
 です。
 
 しかし、現金は持ち歩いてなくて支払いはいつも小切手を使って
 いました。
 
 家にも金庫はなく、現金は置いてありません。
 
 強盗に入ってもたいした物は取れません。
 
 結果的に、クラッター一家4人を襲った犯人は、40ドルとケニ
 ヨンのラジオを盗んだだけでした。
 
▽なぜ、このようなむごたらしい事件が起きたのか?
 
 著者は綿密な取材によって得た証人の話と資料から、あたかも
 現場にいるように物語を構成しています。
 
 「物語」と言っても、実際に起きた話です。
 
 近所の喫茶店を営む女性の話から、犯人が立ち寄ったガソリン
 スタンド従業員の男性、クラッター氏の隣人達の様子等が詳細に
 書かれています。
 
▽犯人は2人います。
 
 リチャード・ユージーン・ヒコックとペリー・エドワード・スミス
 は、事件を起こした当時は、20代半ばでした。
 
 リチャード・ユージーン・ヒコック(通称ディック)は、普通の
 家庭に生まれます。
 
 裕福でもなく貧しくもなく、厳しい父親と、すばらしい母親に
 育てられます。
 
 中学高校とスポーツに明け暮れ、勉強はしませんでした。
 
 ディックは21歳の誕生日を迎えるまでに、鉄道の保線係、救急車の
 運転手、自動車塗装工、修理工として働いていました。
 
 16歳の娘と結婚し、3人の子どもがいました。
 
 若い2人は借金漬けになり、ディックは賭博をやったり、小切手
 詐欺をしたり、その他さまざまな盗みを始めます。
 
 とうとう住居侵入窃盗罪で有罪判決を受け、5年の刑に服します。
 
 そして、服役した刑務所で、もう一人の犯人ペリーと出会います。
 
▽ペリーはディックとは違い、かなり不幸な少年時代を過ごして
 いました。
 
 父親と母親の仲は悪く、母親の浮気が原因でことある毎に喧嘩を
 し、いつも母親が殴られていました。
 
 結局両親は離婚し、子どもたちは母親についていくことになります。
 
 しかし、母親には子どもを育てる能力はなく、いつも酔っぱらって
 いて、やがてペリーは非行に走ります。
 
 よくあるパターンです。
 
 送り込まれた少年院で、腎臓が悪いペリーは毎晩寝小便をし、
 そのせいでそこの管理をしている女性に毎晩殴られていました。
 
 その後、商船隊に入り、日本や朝鮮で勤務していたこともあります。
 
 また、オートバイ事故で足に障害を負ってしまいます。
 
 それから転落人生が始まり、住居侵入、窃盗、脱獄で5年から
 10年の刑を宣告されていました。





 続きは次回。



とてつもない日本 (新潮新書 217)
──────────────────────────────
 ◆今日読んだ本
──────────────────────────────
 題名:とてつもない日本
 著者:麻生太郎
 出版:新潮新書
 定価:680円+税
 購入:ブックオフで105円



──────────────────────────────
 ◆今日の本 購入情報
──────────────────────────────
 アマゾン
 http://amazon.co.jp/o/ASIN/410610217X/oyajimushicom-22/ref=nosim/
 楽天ブックス
 http://pt.afl.rakuten.co.jp/c/02bf9514.ebca5b49/?url=http%3a%2f%2fitem.rakuten.co.jp%2fbook%2f4417706%2f



──────────────────────────────
 ◆本の目次
──────────────────────────────
 はじめに
 第一章 アジアの実践的先駆者
 第二章 日本の底力
 第三章 高齢化を讃える
 第四章 「格差感」に騙されてないか
 第五章 地方は生き返る
 第六章 外交の見取り図
 第七章 新たなアジア主義 … 麻生ドクトリン
 おわりに



──────────────────────────────
 ▼本の成分解析
──────────────────────────────
 知恵  :■■■□□
 勇気  :■□□□□
 豊かな心:□□□□□
 おすすめ:■■■□□



 この本は、2007年6月に出版されています。
 
 著者は、先日92代目の内閣総理大臣に指名された方です。
 
 著書が何冊かあります。



 期待したいです。



 今回はこの本を次のような視点で読んでみました。
──────────────────────────────
 ■この本のどこを読むか
──────────────────────────────
 1)著者の思想とは?



 日本を明るい国にして欲しいです。



 忙しい方のために、結論を先に紹介します。
──────────────────────────────
 ■この本をどう読んだか
──────────────────────────────
 1)著者の思想とは?

 「日本人のエネルギーはとてつもないものだ。日本はこれから
 必ずよくなる。日本はとてつもない国なのだ」

 「日本は諸外国と比べても経済的な水準は相当に高いし、国際的な
 プレゼンスも極めて大きい。日本人が考えている以上に、日本と
 いう国は諸外国から期待され評価されているし、実際に大きな
 底力を持っているのである」

 「日本は、アジアにおけるソートリーダー(先駆者という意味)」

 「日本は、アジアで最も古い民主主義国家、市場経済国家として、
 アジアに埋め込まれた安定勢力である」

 「日本はアジアにおける『ビルトイン・スタビライザー』である」

 「国対国の関係に、上下概念を持ち込まない国である」



──────────────────────────────
 ★今日から実行すること
──────────────────────────────
 【 素直に応援してみよう 】



──────────────────────────────
 ●もっと知りたい方のために
──────────────────────────────
●著者の思想とは?

▽先日、日本の第92代内閣総理大臣に指名されたのが、今回紹介
 する本の著者、麻生太郎さんです。
 
 著者は、1940年(昭和15)年に、福岡県の飯塚市で生まれ
 ます。
 
 父方の祖父が、炭坑王として知られた人で、父親はその三男です。

 炭坑が下火になり始めた頃、祖父が炭坑業から別の業種への転換
 が上手く行き、父親は「麻生商店」に入社。
 
 「麻生鉱業」「麻生セメント」の社長を務めます。

 その後父親は政治家となります。
 
 著者の母親は、よく知られているように、戦後の外務大臣、総理
 大臣を何度か歴任している吉田茂の三女です。
 
 著者は、学習院大学卒業後「麻生セメント」の社長を務め、日本
 青年会議所会頭を経て、1979年に衆議院議員に初当選し、
 以降当選9回を数えます。
 
 モントリオールオリンピックにクレー射撃の日本代表として参加
 したこともあるそうです。
 
 経歴で見ると生粋の「ボンボン」ですが、はたしてどのような
 思想を持っている人なのでしょうか。

▽題名の「とてつもない日本」とは、著者の祖父、吉田茂が語って
 いた次の一文から取ったそうです。
 
 「日本人のエネルギーはとてつもないものだ。日本はこれから
 必ずよくなる。日本はとてつもない国なのだ」
 
 そのような言葉を聞くと、日本人としては単純に嬉しくなります。
 
 しかし、批判するわけではありませんが「自分の国は特別だ」と
 思っているのは、何も日本人だけではありません。
 
 どこの国に行っても「自分の国は特別だ」と思っている人たち
 ばかりです。
 
 日本人が特別すごいわけではありません。
 
 ただ、明治維新以降、歴史的に見ると、世界では例がないような
 派手な変化と成長が行われた国ではあります。
 
▽現在、テレビを見ても、新聞を読んでも、だいたい暗いことしか
 書いてありません。
 
 テレビや新聞に触れていると、現在の日本という国はどうしようも
 ないくらい「ダメな国」に思えてしまいます。
 
 日本を「ダメな国」にしているのは報道機関なのではないかと
 思います。
 
 この本の冒頭「はじめに」で、著者は次のように書いています。
 
 「日本は諸外国と比べても経済的な水準は相当に高いし、国際的な
 プレゼンスも極めて大きい。日本人が考えている以上に、日本と
 いう国は諸外国から期待され評価されているし、実際に大きな
 底力を持っているのである」
 
 実は私も同じように感じています。
 
 本当は、日本って素晴らしい国なのではないでしょうか。
 
▽日本とは何か?と問われたときの第一の答えを、著者は、
 
 「日本は、アジアにおけるソートリーダー(先駆者という意味)」
 
 と書いています。
 
 民主主義国家、市場経済国家としてのソートリーダーという役割
 を意識する必要があると主張します。
 
 また、次のようにも述べています。
 
 「日本は、アジアで最も古い民主主義国家、市場経済国家として、
 アジアに埋め込まれた安定勢力である」

 そういう意識を持って、アジアの「安定化装置」としての役割を
 はたしていく必要があるとのこと。
 
 日本とは何か?と問われた時の第二の答えは、
 
 「日本はアジアにおける『ビルトイン・スタビライザー』である」
 
 ということです。
 
 さらに、日本とは何か?という問いに対する第三の答えは、
 
 「国対国の関係に、上下概念を持ち込まない国である」
 
 と著者は言います。
 
 まとめてみると、
 
 「日本は、アジアで民主主義国家、市場経済国家としてのソート
 リーダーを意識し、安定化装置としての役割を果たし、アジアの
 国々と対等に関係を保っていく」
 
 ということになるでしょうか。
 
 期待したいです。





 この本は、著者の政治思想を、難しい言葉はほとんど使わずに
 解りやすく書かれています。
 
 アジアでの日本の役割の他にも、様々な著者の考えが理解できます。
 
 これからの日本がどのような方向へ向かっていくのか、理想論
 かもしれませんが、大きな指針が書かれています。
 
 期待しています。



米百俵 (新潮文庫)
──────────────────────────────
 ◆今日読んだ本
──────────────────────────────
 題名:米百俵
 著者:山本有三
 出版:新潮文庫
 定価:362円+税
 購入:ブックオフで105円



──────────────────────────────
 ◆今日の本 購入情報
──────────────────────────────
 アマゾン
 http://amazon.co.jp/o/ASIN/4101060118/oyajimushicom-22/ref=nosim/



──────────────────────────────
 ◆本の目次
──────────────────────────────
 米百俵
 隠れたる先覚者 小林虎三郎



──────────────────────────────
 ▼本の成分解析
──────────────────────────────
 知恵  :■■■□□
 勇気  :■■□□□
 豊かな心:■■□□□
 おすすめ:■■■□□



 この本は、平成13年7月に出版されています。
 
 著者は、1920年(大正9年)に戯曲でデビューしています。
 
 その後、小説も書いていて、「路傍の石」や「心に太陽を持て」
 といった作品を書いています。
 
 著書も多数あります。



 どのような話なのでしょうか?



 今回はこの本を次のような視点で読んでみました。
──────────────────────────────
 ■この本のどこを読むか
──────────────────────────────
 1)楽しんで読もう。



 概要だけは知っています。



 忙しい方のために、結論を先に紹介します。
──────────────────────────────
 ■この本をどう読んだか
──────────────────────────────
 1)楽しんで読もう。
 
 ※「もっと知りたい方のために」を参照してください。



──────────────────────────────
 ★今日から実行すること
──────────────────────────────
 【 特にありません 】



──────────────────────────────
 ●もっと知りたい方のために
──────────────────────────────
●楽しんで読もう。

▽「米百俵」の話は、現在の総理大臣(麻生太郎)から数えて3代
 前に総理大臣だった小泉首相が使っていました。
 
 概要については、テレビや新聞で知っています。
 
 「米百俵をその場で食べてしまうより、その米を売って、未来の
 ために学校を建てよう」
 
 という話でした。
 
 小泉総理は「つらいかもしれないけど、未来のために今は我慢
 しなさい」という意味で使ったものと思われます。
 
 ブックオフで面白そうな本がないか探していたところ、「米百俵」
 の文字が目に止まったので読んでみることにしました。
 
▽この物語は、昭和18年に発表されています。

 戯曲形式の物語で、昭和18年6月には東京劇場で初演されてい
 ます。
 
 舞台背景は、明治3年頃の越後の国長岡で、戊辰戦争が終わった
 頃の設定です。
 
 戊辰戦争当時の長岡藩は、河井継之助が家老職で、官軍と戦って
 負けてしまい、長岡の城下町は焼け野原となってしまいます。
 
 このへんの話は、司馬遼太郎さんの「峠」を読むと良く解ります。
  
 登場人物は、長岡藩の大参事をしていた小林虎三郎という人物で、
 実在の人物です。
 
 その他、長岡藩士が何名か登場します。
 
▽小林虎三郎は、佐久間象山の門下生で、吉田松陰と並んで「二虎」
 と呼ばれていました。
 
 その後、長岡藩で謹慎していましたが、明治維新の後、中岡藩の
 要職に就きます。
 
 戊辰戦争当時は謹慎と病気のため、表舞台には出てこなくて、
 河井継之助の政策を非難していました。
 
 小林虎三郎が長岡藩の大参事という職に就いた当時、長岡藩は
 困窮を究め、侍や足軽といった階級は日々の糧にも困っている
 状況でした。
 
 そのような窮状の長岡藩を見るに見かねた、長岡藩の支藩三根山藩
 から、米百俵が贈られてきました。
 
 食べる物に困っていた長岡藩の侍たちは、「これで食いつなげる」
 と安堵していました。
 
 しかし、贈られた米は分配されず、大参事の小林虎三郎は、この
 米を売ってお金にし、そのお金で長岡に学校を立てようとしてい
 ました。
 
 それを知った困窮状態の藩の侍たちは、小林虎三郎の家に押しかけ
 一触即発の状況になってしまいます。
 
 押しかけた侍たちに、小林虎三郎は懇々と説きます。
 
 「長岡藩の者全員に米百俵を分けたら、一軒あたりせいぜい2升で
 一人当たり4、5合にしかならず、1日か2日で食いつぶして
 しまう」
 
 「だとしたら、苦しい事には変わりないのだから、その米を売って、
 そのお金で学校と演武場を立て人材を育てて、長岡の未来のために
 日本の未来のために役立てよう」
 
 「そうすれば、米百俵が一万俵にも百万俵にもなる」
 
 「食えない時こそ、何よりも教育に力をそそがなければならない。
 将来のために人材を育てることが大切だ」
 
 「国がおこるのも、滅びるのも、町が栄えるのも、衰えるのも、
 ことごとく人にある。だから、人物さえ出てきたら、人物さえ
 養成しておいたら、どんなに衰えた国でも、必ず盛り返せる」
 
 だいたいの主旨はこんな感じです。
 
▽以上のような問答が、小林虎三郎と侍たちの間に実際あったか
 どうかは解りませんが、贈られた米百俵を売って学校を建てた
 話は本当の話です。
 
 長岡では、その時立てた学校から多くの人材が育ったそうです。
 
 その一人が、山本五十六連合艦隊司令長官です。
 
 米百俵の物語の後に、著者による小林虎三郎の解説の講演の様子
 が収録されています。
 
 その頃は太平洋戦争が始まったあたりで、戦争賛美の講演が
 されているのも時代を感じさせます。
 
 今、米百俵の話は、現在の辛抱が将来の利益となることを象徴
 する物語としてしばしば引用されています。
 
 小泉首相の「痛みに耐え...」という話と合致します。
 
 皆が納得していたかどうかは別として...





 この物語は、国を栄えさせるためには何が必要なのか。
 
 現在の辛い時期を我慢して、将来の利益を考えようという主旨で
 書かれています。
 
 国という単位で考えると、確かにそうかもしれません。
 
 しかし、個人という単位で考えると、人はいつ死ぬか判らないので
 将来の利益を考えるよりは、現在を精一杯生きる方が得策だと
 思います。



赤い小馬 (新潮文庫)
──────────────────────────────
 ◆今日読んだ本
──────────────────────────────
 題名:赤い子馬
 著者:スタインベック
 出版:新潮文庫
 定価:362円+税
 購入:ブックオフで105円



──────────────────────────────
 ◆今日の本 購入情報
──────────────────────────────
 アマゾン
 http://amazon.co.jp/o/ASIN/4102101071/oyajimushicom-22/ref=nosim/



──────────────────────────────
 ◆本の目次
──────────────────────────────
 一 贈り物
 二 大連峰
 三 約束
 四 開拓者



──────────────────────────────
 ▼本の成分解析
──────────────────────────────
 知恵  :■■■□□
 勇気  :□□□□□
 豊かな心:■□□□□
 おすすめ:■■■□□



 この本は、昭和30年8月に出版されています。
 
 著者(1902〜1968)は、アメリカの作家で、大学で海洋生物学を
 学ぶかたわら、農場や商店で働き、創作を始めたそうです。
 
 「怒りの葡萄」という作品ががピューリツァー賞、全米図書賞を
 受賞しています。
 
 また、1962年にはノーベル文学賞を受賞しています。
 
 著書も多数あります。



 どのような物語なのでしょうか?



 今回はこの本を次のような視点で読んでみました。
──────────────────────────────
 ■この本のどこを読むか
──────────────────────────────
 1)楽しんで読もう。



 少年はいろいろな出来事を体験し成長していきます。



 忙しい方のために、結論を先に紹介します。
──────────────────────────────
 ■この本をどう読んだか
──────────────────────────────
 1)楽しんで読もう。
 
 ※「もっと知りたい方のために」を参照してください



──────────────────────────────
 ★今日から実行すること
──────────────────────────────
 【 特にありません 】



──────────────────────────────
 ●もっと知りたい方のために
──────────────────────────────
●楽しんで読もう。

▽著者の作品は、以前「ハツカネズミと人間」という作品を紹介した
 ことがあります。
 
 興味がある方はこちらを参照ください。
 http://archive.mag2.com/0000194014/20080813060000000.html
 
 アメリカの農場を舞台に繰り広げられる、流れ者の労働者の悲哀
 を描いた作品です。
 
 今回紹介する作品も、舞台は同じアメリカの農場です。
 
 著者が大学生の時に働いていた農場での出来事を元に作品を書い
 ているので、時代背景は1920年くらい、日本でいうと大正
 10年前後のことだと考えられます。
 
▽作品は、目次の通りの四部構成になっていて、主人公は同じで、
 それぞれ違うストーリーが描かれています。
 
 登場人物は多くありません。
 
 主人公は、ジョーディという10歳の少年です。
 
 主人公の父親のカール・ティフリンは背が高く、厳格な父親です。
 
 ミセス・ティフリンは、ジョーディの成長を見守ってくれるやさ
 しい母親です。
 
 もう一人は、カール・ティフリンの農場で働くビリー・バック
 という中年の男性で、家畜の世話をはじめ農場のことをよく知って
 います。
 
 物語は、この四人を中心に描かれています。
 
▽ある日の朝、食事の時間にジョーディは父親から呼び出されます。

 父親は厳格な人で、ジョーディは何を叱られるのかビクビクして
 いました。
 
 父親について馬小屋で言ってみると、そこには赤毛の子馬が繋が
 れていました。
 
 それは、父親がジョーディに世話をさせようと買ってきた子馬
 でした。
 
 ジョーディがしっかり世話をして成長すれば、自分で乗ることが
 できます。
 
 しかも、馬に乗せる鞍も買ってもらったのです。

 この歳の少年にとって自分の馬を持てるということは、学校で
 自慢ができます。
 
 少年は赤い子馬に「ギャビラン」という名前を付けます。
 
▽ジョーディは子馬にのめり込み、父親に言われなくてもしっかりと
 お世話をしていました。
 
 他の自分の仕事もしっかりやるようになります。
 
 ジョーディは、馬のことについてビリー・バックにいろいろと
 教えてもらいます。
 
 少年は、父親よりもビリー・バックにいろいろと教わることが
 多いようです。
 
▽ある日の朝、ジョーディは学校に行っている間、ギャビランを
 囲いの中に放しておこうと考え、ビリー・バックに相談します。
 
 ただ、雨が心配でした。
 
 そこで、ジョーディは、雨が降ったら馬を小屋に入れてくれる
 ようビリー・バックに頼みます。
 
 ビリー・バックは、雨が降る心配はないけれど、もし降ったら
 子馬を馬小屋で連れて行く約束をします。
 
 少年にとって、ビリー・バックの存在は、こと農場のことに関しては
 間違ったことをするのを見たことがありません。
 
 絶対的な信頼を置いていました。
 
▽しかしその日はビリー・バックの予想は外れ、雨が降り始めます。

 ジョーディは学校を抜け出して馬を小屋に戻そうかと思いますが、
 学校を抜け出したことがばれると怒られそうだし、ビリー・バック
 にも馬を小屋に入れてくるように頼んであるので大丈夫だろうと
 思っていました。
 
 ジョーディが学校から帰ってみると、子馬は外で雨に濡れています。
 
 馬小屋に連れてきた子馬は、元気がなく、食欲もあまりないみたい
 です。
 
 その後、父親とビリー・バックが仕事から帰ってきました。
 
 ジョーディは信頼していた、ビリー・バックが天候のことで間違った
 ことを責めます。
 
▽子馬は時間が経つに連れて、呼吸が荒くなり、明らかに何らかの
 病気に掛かっていました。
 
 ビリー・バックと少年は必死に看病します。
 
 子馬は喉に膿が溜まって、次第に呼吸困難に陥ってきます。
 
 ビリー・バックは子馬の喉を切って膿を出し、呼吸が楽になる
 ように喉に穴を開けてやりました。
 
 しかし、ジョーディの必死の看病もむなしく、ギャビランは次第に
 弱って行きます。
 
 そして...





 この物語は、紹介した赤い子馬の物語の他に三つの物語が描かれて
 います。
 
 農場にいきなりやってきて自分を養ってくれという老人の話。
 
 死んだ子馬の変わりに、農場の雌馬に種付けをして、生まれてきた
 子馬をジョーディの馬にする話。
 
 最後に、母方の祖父が農場を訊ねてくる話。
 
 いずれも著者の実体験をベースに描かれています。
 
 独特な雰囲気の物語です。



雪国 (角川文庫クラシックス)
──────────────────────────────
 ◆今日読んだ本
──────────────────────────────
 題名:雪国
 著者:川端康成
 出版:角川文庫
 定価:280円+税
 購入:ブックオフで105円



──────────────────────────────
 ◆今日の本 購入情報
──────────────────────────────
 アマゾン
 http://amazon.co.jp/o/ASIN/4041057078/oyajimushicom-22/ref=nosim/
 楽天ブックス
 http://pt.afl.rakuten.co.jp/c/02bf9514.ebca5b49/?url=http%3a%2f%2fitem.rakuten.co.jp%2fbook%2f138676%2f



──────────────────────────────
 ◆本の目次
──────────────────────────────
 ※目次はありません。



──────────────────────────────
 ▼本の成分解析
──────────────────────────────
 知恵  :■■■□□
 勇気  :□□□□□
 豊かな心:■■□□□
 おすすめ:■■■□□



 この本は、昭和31年4月に出版されています。
 
 著者は、昭和43年に日本初のノーベル文学賞を受賞した方です。
 
 著書も多数あります。



 世界が認めた物語とは、どのようなものなのでしょうか?



 今回はこの本を次のような視点で読んでみました。
──────────────────────────────
 ■この本のどこを読むか
──────────────────────────────
 1)楽しんで読もう。



 物語の最初は、もちろん...



 忙しい方のために、結論を先に紹介します。
──────────────────────────────
 ■この本をどう読んだか
──────────────────────────────
 1)楽しんで読もう。
 
 ※「もっと知りたい方のために」を参照してください。



──────────────────────────────
 ★今日から実行すること
──────────────────────────────
 【 特にありません 】



──────────────────────────────
 ●もっと知りたい方のために
──────────────────────────────
●楽しんで読もう。

▽ここ2〜3ヶ月は、読む本は小説が多くなってきました。

 メルマガを発行する前も、小説はよく読んでいましたが、読む
 のは日本の歴史物が多く、外国の小説はほとんどよんだことが
 ありませんでした。
 
 有名どころの本を一度は読んでおこう、と思って読み始めた小説は、
 面白くて次から次へと読むようになりました。
 
 ノーベル賞受賞作家が書いた作品を選んで読んでいると、どう
 しても外国の作家が多くなります。
 
 これまでにノーベル文学賞を受賞したことがある日本人は2人
 しかいません。
 
 一人は、今回紹介する「雪国」の著者、川端康成が1968年に
 受賞しています。
 
 もう一人は大江健三郎で、1994年に受賞しています。
 
 大江健三郎の本は過去に何冊か読んだことがありますが、あまり
 ピンときませんでした。
 
 川端康成の作品は、今回初めて読みます。
 
 期待が持てます。
 
▽今回紹介する作品は、最初の一文が有名です。

 「国境のトンネルを抜けると雪国であった」
 
 この一文を知っている人は多いのではないでしょうか。
 
 著者の作品は「美文」と言われるそうです。
 
 ノーベル文学賞の受賞理由も以下のように書かれています。
 
 「日本人の心情の本質を描いた、非常に繊細な表現による、彼の
 叙述の卓越さに対して」
 
 ノーベル文学賞の外国の選考員が、日本人の心情の本質をどう
 やって感じたのかよくわかりません。
 
 しかし、素人の私から見ても、文章表現は美しいと思います。
 
 先程の最初の一文、「国境の・・・」の次の一文もそのことを
 示しています。
 
 「夜の底が白くなった」
 
 なんとなく「夜明けなんだろうな」ということは理解できます。
 
 「夜の底が白くなった」という言葉がでてくるかどうかが、作家
 として成功できるかどうか、ノーベル文学賞を受賞できるかどうか
 の境だと思います。
 
▽物語の舞台背景は、物語中には書いてありません。

 ウィキペディアで調べてみると、著者が雪国を執筆した旅館が
 新潟県の湯沢町という所にあるそうです。
 
 湯沢町の旅館に、昭和9年から3年くらい逗留していたらしいので
 昭和に入ってからの新潟湯沢が舞台になっているみたいです。
 
 登場人物はそんなに多くありません。
 
 主人公は「島村」という名の、物書き業の中年男性で、妻子が
 います。
 
 島村は親の遺産で気ままな生活をしています。
 
 主人公は島村ですが、物語は「駒子」という二十歳前後の女性の
 ことが主に描かれています。
 
 その他に、駒子の許嫁の妹の葉子が登場します。
 
 主な登場人物はその3人だけです。
 
▽ある年、島村が始めてこの土地にきた時に出会ったのが駒子でした。
 
 この時、駒子は芸者ではなく踊りの師匠に付いて芸事を習って
 いました。
 
 芸者が足りなくて、島村の所へお酌をしにきたのが駒子でした。
 
 この年、島村が帰った後に駒子は芸者になります。
 
 それから毎年、島村はこの土地を訪れては駒子を呼び、何日かを
 過ごすようになります。
 
▽正直な話、物語自体はそんなにおもしろくありません。
 
 島村が訪れるたびに芸者慣れしていく駒子。
 
 駒子の過去や、葉子との関係が次第に明らかになっていきます。
 
 その間のこが著者の繊細な文章で描かれています。
 
 これといった結末もなく、特に感動するシーンもなく、著者の
 文章で持っている作品のような気がしてならないです。





 おそらく、私が小説に求めているものと、著者がこの作品で描いた
 ものが合わなかったのだと思います。
 
 ただ、文章はさすがに美しく、たぶん普通の人には掛けない文章
 です。
 
 もう少し物語性のある著者の作品も読んでみたいです。



アンナ・カレーニナ (上巻) (新潮文庫)(2回目)
──────────────────────────────
 ◆今日読んだ本
──────────────────────────────
 題名:アンナ・カレーニナ 上
 著者:トルストイ
 出版:新潮文庫
 定価:629円+税
 購入:アマゾンマーケットプレイスで20円(送料340円)



──────────────────────────────
 ◆今日の本 購入情報
──────────────────────────────
 アマゾン
 http://amazon.co.jp/o/ASIN/4102060014/oyajimushicom-22/ref=nosim/
 楽天ブックス
 http://pt.afl.rakuten.co.jp/c/02bf9514.ebca5b49/?url=http%3a%2f%2fitem.rakuten.co.jp%2fbook%2f1127803%2f



──────────────────────────────
 ◆本の目次
──────────────────────────────
 ※目次はありません。



──────────────────────────────
 ▼本の成分解析
──────────────────────────────
 知恵  :■■■■□
 勇気  :□□□□□
 豊かな心:□□□□□
 おすすめ:■■■■□



 この本は、昭和47年2月に出版されています。
 
 著者は、ロシアの文豪です。
 
 著書も多数あります。



 どのような物語なのでしょうか?



 今回はこの本を次のような視点で読んでみました。
──────────────────────────────
 ■この本のどこを読むか
──────────────────────────────
 1)楽しんで読もう。



 有名な作品です。期待できます。



 忙しい方のために、結論を先に紹介します。
──────────────────────────────
 ■この本をどう読んだか
──────────────────────────────
 1)楽しんで読もう。
 
 ※「もっと知りたい方のために」を参照してください。



──────────────────────────────
 ★今日から実行すること
──────────────────────────────
 【 特にありません 】



──────────────────────────────
 ●もっと知りたい方のために
──────────────────────────────
●楽しんで読もう。

▽貴族の世界のイメージは、映画で見たイメージしかありません。

 うわべだけ華やかな世界に住んでいて、言葉と気持ちは全く別物で、
 心の奥底では皆何を考えているのかわからないイメージを持って
 いました。
 
 トルストイが描いている貴族の世界が本物であるならば、半分
 当たっていて、半分外れている感じがします。
 
 全ては人間関係の上に成り立っている世界で、誰それと親しい
 とか、知っているといったことで自分の地位を確立しています。
 
 女性達は、自分の親、自分の夫の地位によって、自らの地位も
 変わってきます。
 
 貴族階級の地位ですが、伯爵や公爵といった言葉がでてきます。
 
 ネットで調べてみると、ロシアの爵位は、ピョートル大帝がロシアの
 近代化を目指してヨーロッパから取り込んだ階級で、以下のような
 順番となっています。
 
 大公 > 公爵 > 伯爵 > 男爵
 
 大公とか公爵といった言葉は、元もと中国宮廷での階級を表して
 いた言葉で、それを日本が取り込んだものです。
 
 ヨーロッパの階級はもう少し細かく別れているみたいですが、
 ロシアでは上記4階級だけみたいです。
 
 4階級しかないので、ロシア貴族の中には爵位のない貴族という
 のが存在していたらしいです。
 
 しかも、ロシア貴族の爵位は一子相伝ではなく、男女問わず全ての
 子どもが継承できたそうで、貧乏公爵、貧窮伯爵を大量に生産した
 とのこと。
 
 ちなみに日本にも、明治から昭和にかけて爵位というのが存在
 していて、「五爵」設定されていました。
 
 公爵 > 侯爵 > 伯爵 > 子爵 > 男爵
 
 誰が何爵だか覚えるのが大変そうです。
 
▽アンナ・カレーニナの物語は、ロシアの貴族階級の物語で、今の
 ところ出てきたのは、公爵と伯爵だけです。
 
 ブロンスキー公爵に思いを寄せていた、キチイという18歳の女性は、
 彼と結婚する積もりでいました。
 
 結婚の申し込みを今か今かと待っていましたが、当のブロンスキーは
 結婚する気は全くありません。
 
 そんななか開催された舞踏会で、キチイのダンスの相手をしてくれる
 はずだったブロンスキーは、そこに来ていたアンナと踊り始め、
 心を奪われてしまいます。
 
 アンナもブロンスキーに惹かれ始めていました。
 
 兄オブロンスキーの不倫騒動を解決しに来たアンナでしたが、
 自らが不倫に陥ってしまいます。
 
 キチイは舞踏会でのブロンスキーとアンナの関係を見て、病気に
 なってしまいます。
 
 登場人物の親類関係が入り組んできたので図式化してみます。
 
 
 
 キチイ ←姉妹→ ドリイ = オブロンスキー ←兄妹→ アンナ
 
 この他にオブロンスキーの友人リョービン、キチイが結婚すると
 思っていたブロンスキーが主な頂上人物です。
 
 キチイとアンナの関係は何と言うのか知りませんが、キチイは
 昔からアンナのことは知っていたみたいです。
 
▽舞踏会で急速に接近したアンナとブロンスキーでしたが、アンナが
 住んでいるのはペテルブルグで、ブロンスキーがいるのはモスクワ。
 
 ネットで調べてみると、約650キロ離れています。
 
 ブロンスキーとの関係が危なくなってきたアンナは、予定を早く
 切り上げてペテルブルグへ帰ることにしました。
 
 しかし、乗り込んだ汽車の中で、追いかけてきたブロンスキーと
 再会し、アンナは彼と逃れられない関係であることを悟ります。
 
 ペテルブルグの駅に到着すると、アンナの夫カレーニン伯爵が
 迎えに来ていました。
 
 ブロンスキーは大胆にもカレーニン伯爵に挨拶し、自宅を訪ねて
 いいか訊ねたりします。
 
▽ペテルブルグでの生活が始まると、アンナとブロンスキーの関係は
 深くなっていきます。
 
 元もと貴族社会にあまり深入りしていなかったアンナでしたが、
 その頃からたびたび集まりに参加するようになります。
 
 その方がブロンスキーと合う回数が増えるためでした。
 
 2人は関係を隠していましたが、貴族社会の中でも2人の関係は
 暗黙の事実と化しています。
 
 貴族同士、2人だけで密会する際も、馬車を運転する人、密会
 する家の使用人等がいないと合えない人たちです。
 
 そういった方面からも話は漏れ伝わってくるみたいです。
 
▽アンナの夫カレーニンは、仕事人間で妻のアンナを自分が貴族
 社会で有利に生きていくために必要な人間としか見ていない感じ
 です。
 
 本人はアンナのことを愛していると思っていて、大切にしている
 つもりでしたが、アンナはそんな夫が嫌でした。
 
 そのためか、アンナは一人息子のセリョージャを大切にしてきま
 した。
 
 しかし、ブロンスキーが夫の留守中にたびたびアンナの元を訪れる
 ため、セリョージャはブロンスキーに対してどう対処すればいい
 のか判らなくなっています。
 
▽ある日、アンナのことを迎えに行ったカレーニンは、そこでアンナと
 ブロンスキーの関係を、そこにいた人々の視線や仕草から、皆に
 疑われていることを知ります。
 
 そのことを、アンナに問いつめても、アンナはとぼけます。
 
 問題を先送りにしたいカレーニンは、それ以上深入りしませんで
 した。
 
▽ブロンスキーから捨てられた形になったキチイは、身も心も疲れ
 果ててしまい、母親とドイツの温泉へ湯治へ出かけます。
 
 そこで、いろいろな人と出会い、元気になってモスクワへ戻って
 いきます。
 
▽一方、ブロンスキーとの関係が続いていたアンナは、とうとう妊娠
 してしまいます。
 
 アンナは夫カレーニンに、今はブロンスキーのことが好きで、
 あなたのことは嫌いだ、と素直に告げます。
 
 カレーニンは、世間体と自分の地位のことが気がかりで、すぐには
 別れられられません。
 
 面白い展開になってきました。





 この本は、ロシア貴族の生活ぶりがよく解る物語となっています。
 
 実は「思ったほど面白くないかも...」と読んでいましたが、
 読み進むに連れて、次第に引き込まれ、先が読みたくなってしまい
 ます。
 
 厚い割には上巻はあっと言う間に読み終わってしまい、続きが
 読みたくなる本です。